膝の疾患で来院されるので多いのは変形性膝関節症です。
その他にも膝に病変を生じる疾患はあります。
スポーツ外傷・障害としては、有痛生分裂膝蓋骨、オスグッド・シュラッター病、腸脛靭帯炎、離断性骨軟骨炎。
変形・その他としては、突発性骨壊死、血友病性関節症、特発性膝関節血症、膝窩嚢胞、反張膝、内反膝、外反膝、鵞足滑液包炎、ステロイド関節症、神経病性関節症。
膝蓋大腿関節障害としては、膝蓋軟骨軟化症、滑膜ひだ障害。
靭帯損傷・半月板損傷としては、前十字靭帯損傷、後十字靭帯損傷、内側側副靱帯損傷、外側側副靱帯損傷、半月板損傷。
骨折・脱臼としては、大腿骨遠位部骨折、脛骨近位端骨折、膝蓋骨骨折、膝蓋骨脱臼、膝関節脱臼。
腫瘍性疾患としては、色素性絨毛結節性滑膜炎、滑膜骨軟骨腫症。
関節炎としては、関節リウマチ、痛風、偽痛風、可能性関節炎。
よく膝に水が溜まるという相談が多いです。
関節内は袋のような物で中に液体が入っています。
骨同士がガツガツ当たるようなストレスがかかると、それを嫌がるように水が貯まります。(ここでいう水は関節内液を指す。以下の文では分かりやすくするために、多くの方が呼ぶ呼び名の水と呼びます。)
この水が関節内圧を高めるため、パンパンになります。
パンパンになるので膝が動かしにくくなります。
痛みも出ます。
注射器で抜くと癖になるとよく言われます。
膝関節に負担のかかる使い方をしていて、骨同士が当たってしまうためそれから守るために内圧を高めています。
水が貯まるということは膝を守ってくれていることです。
その守られ方を変えないといつまでも水は溜まります。
水がたまらないようにするには、膝の使い方を整える必要があります。
関節に負担の少ない動かし方ができるようになると、水がたまらなくて済みます。
そういうような発想になり行動しないと、水が溜まる癖になるから抜かない、というだけでは膝のためにもなりません。
水が貯留していれば、鍼灸でもひかすことができます。
体から出た液体ですので環境が整えば体に吸収してくれます。
それを促すような治療をします。
同時に、全身のバランスを見てきちんと立てる、歩ける環境作りを行います。
各関節の連動性が不足していないか、筋力は足りてないのか?などをチェックします。
水が溜まって抜く、だけでなく、次のステップへ向かいましょう。